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特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
文献概要
硝子体手術,とくに硝子体切除術は1971年にMachemerら1)が経毛様体扁平部アプローチを報告して以来一般に普及するところとなり,手術器具や周辺機器の改良,手術手技の進歩,代用硝子体の利用などにより手術適応が急速に拡大され,かつ手術成績もかなり安定したものとなってきている。近来の眼科学の歴史の中でも硝子体手術の進歩は特筆すべきもののひとつといえるが,手術手技の進歩は同時に多重手術を可能とし,硝子体切除に加えて水晶体切除または摘出,眼内レンズ移植,角膜移植,網膜上および網膜下病巣除去などが併用される機会もしだいに増えつつあり,手術操作が単に硝子体腔のみにとどまらず眼球全体に及ぶことも稀ではない。このような状況をふまえて硝子体手術後の消炎剤の使い方について筆者の考えをまとめてみたい。
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