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特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋 疾患別薬剤投与プロトコール
角膜移植術後の拒絶反応
著者: 澤充1
所属機関: 1日本大学医学部眼科
ページ範囲:P.121 - P.125
文献購入ページに移動角膜移植術後の移植免疫
移植免疫はリンパ行性にグラフトの抗原が所属リンパ節に到達し,リンパ系が担当する。角膜においては輪部を除いてリンパ経路が欠如しているが抗原の移動経路として角膜実質の膠原線維間隙が考えられている。したがって角膜に血管新生がある場合はこの抗原の輸送,移動が血管新生がない場合よりも容易であり,拒絶反応も生じ易いと考えられる。拒絶反応は術後3〜5週以後5〜6か月の間に生じることが多いが,拒絶反応はこれ以外の期間のいずれでも生じる可能性がある。発症頻度は数%〜50%と報告により異なるが大体30%と考えられる1-3)。また発症頻度は血管の有無によっても異なり,血管新生の強い例では高い。発症因子としては血管新生以外にホストグラフトの創傷面のアライメント不良,治癒不全,虹彩癒着,創の哆開,糸のゆるみなど炎症担当細胞を遊走させる状態が考えられる。
移植免疫はリンパ行性にグラフトの抗原が所属リンパ節に到達し,リンパ系が担当する。角膜においては輪部を除いてリンパ経路が欠如しているが抗原の移動経路として角膜実質の膠原線維間隙が考えられている。したがって角膜に血管新生がある場合はこの抗原の輸送,移動が血管新生がない場合よりも容易であり,拒絶反応も生じ易いと考えられる。拒絶反応は術後3〜5週以後5〜6か月の間に生じることが多いが,拒絶反応はこれ以外の期間のいずれでも生じる可能性がある。発症頻度は数%〜50%と報告により異なるが大体30%と考えられる1-3)。また発症頻度は血管の有無によっても異なり,血管新生の強い例では高い。発症因子としては血管新生以外にホストグラフトの創傷面のアライメント不良,治癒不全,虹彩癒着,創の哆開,糸のゆるみなど炎症担当細胞を遊走させる状態が考えられる。
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