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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻11号

1992年10月発行

特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋

疾患別薬剤投与プロトコール

黄斑部疾患—中心性漿液性脈絡網膜症・黄斑変性症

著者: 齋藤友護1 若林謙二1

所属機関: 1金沢大学医学部眼科

ページ範囲:P.157 - P.159

文献概要

中心性漿液性脈絡網膜症
治療の原則
 まず類似の所見を示す他の疾患たとえば中心性滲出性脈絡網膜症,網膜色素上皮裂孔に伴う漿液性網膜剥離,初期老人性円盤状黄斑変性症,後極部多発性網膜色素上皮症などとの鑑別が重要である。なかでも網膜色素上皮裂孔に伴う漿液性網膜剥離では早期のレーザー光凝固術で速やかに治癒せしめうる例があり,診断を誤りいたずらに薬物療法を行った場合重篤な後遺症を残す恐れがあるので注意を要する。後極部多発性網膜色素上皮症においても同様のことが言える。中心性漿液性脈絡網膜症の診断は蛍光眼底造影において早期像で剥離部内の点状過蛍光,中・後期像で同部位からの色素漏出を認めれば確定できる。本症は数か月の経過で自然治癒をみることの多い疾患であるが,変視症,小視症などの早期改善を目的として,また神経上皮剥離が遷延すると神経上皮が変性に陥る危惧があることから早期の復位を目的として蛍光眼底造影における漏出点に対しレーザー光凝固術が行われることが多い。しかし漏出点が中心窩から近い(約300μm以下)場合,漏出の程度が微弱な場合あるいは漏出点が明らかでない場合は保存的療法の適応となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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