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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻11号

1992年10月発行

特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋

疾患別薬剤投与プロトコール

病的近視・偽近視

著者: 所敬1

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室

ページ範囲:P.170 - P.170

文献概要

病的近視とは
 病的近視は変性近視ともいわれているが,厚生省の難病研究班の基準によると屈折度と矯正視力とから表のごとく定義されている。病的近視の原因は眼軸長の延長によるが,これによって網膜脈絡膜萎縮を生じ視力低下が起こる。しかし,これに対する薬物療法はない。
 合併症には網膜剥離,緑内障,脈絡膜出血,白内障,硝子体融解などがある。網膜剥離と緑内障に対してはそれぞれの疾患に対する治療をするが,緑内障には強度近視を伴わない緑内障にくらべて眼圧コントロールを低値にしておく必要がある。脈絡膜出血には単純型出血と血管新生型出血(Fuchs斑)とがあり,中心窩に出血した場合には急激な視力低下を起こす。単純型出血は出血の吸収と共に視力は回復するが,新生血管型出血の場合には視力低下が持続し,永続的な視力低下となることがある。この脈絡膜出血に対しては止血薬や循環薬を用いる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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