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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻12号

1992年11月発行

文献概要

臨床報告

緑内障眼における後房レンズ挿入単独手術と線維柱帯切除術併用術式の比較

著者: 山上聡1 森美奈子2 新家真3

所属機関: 1JR東京総合病院眼科 2東京都老人医療センター眼科 3東京大学附属病院分院眼科

ページ範囲:P.1561 - P.1566

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 眼圧下降剤の点眼治療のみにより眼圧が21mmHg以下にコントロールされていた緑内障を伴う白内障眼41例46眼に対し,PC-IOL挿入術単独(IOL単独手術群)または線維柱帯切除術との同時手術(同時手術群)を施行し,白内障手術としての予後および術後眼圧コントロールを比較検討した。両群間では,年齢,術前眼圧,術前点眼量などの背景因子に差がなかった。IOL単独手術群では,フィブリン出現率が6眼(22.2%)と,同時手術群の11眼(57.9%)に比し有意に低かった。術後測定した視野には両群間で差はなかった。0.5以上の視力獲得率は22眼(81.5%)であり,同時手術群の10眼(52.6%)に比し有意に高率であった。同時手術群では,術後眼圧が1〜2か月と5〜6か月で,また薬物投与量が術後全経過を通じてそれぞれ有意にIOL単独手術群に比し低値を示した。生命表法による解析では,術後の眼圧コントロール非悪化率には両群間に差がなかった。同時手術群で最終的に無投薬となる率は術後16か月で52%であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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