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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻12号

1992年11月発行

文献概要

臨床報告

真菌性眼内炎後の網膜上膜に対する硝子体手術

著者: 直井信久1 松浦義史1 二見要介1 橋口恵子1 大角五輪男1 澤田惇1

所属機関: 1宮崎医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1587 - P.1590

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 筆者らは真菌性眼内炎治癒後の牽引性網膜剥離例3眼に対して硝子体手術を行った。手術は眼内炎の発症からそれぞれ6年,3か月,3年後に行われた。症例1,2では視神経乳頭から始まり黄斑部に続く増殖性線維血管膜が形成されていた。この膜のdelaminationのさい,ある部位では増殖膜は網膜自体と硬く癒着し網脈絡膜全層を貫く瘢痕を形成しており,この部分の膜は分層が不可能であった。症例3では網膜のごく一部を除いて周辺部まで牽引性網膜剥離が存在し,下方周辺部には高度の網膜新生血管増殖が認められたが,membrane peelingおよびsegmentationによって網膜は復位した。症例2,3では血管閉塞による網膜無血管帯が認められ,これが炎症とともに増殖膜の形成に関与している可能性が示唆された。視力はそれぞれ0.09→0.15,m.m.→0.04,20cm指数→0.09に向上した。視力予後は,黄斑部の傷害の程度と網膜全層の瘢痕の部位に依存した。真菌性眼内炎後の牽引性網膜剥離に対する硝子体手術は視機能改善に有効な手術であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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