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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻12号

1992年11月発行

文献概要

臨床報告

急性扁桃炎に続発した海綿静脈洞炎によるTolosa-Hunt様症候群の1例

著者: 沢辺敬子1 河野剛也1 加茂雅朗1 岡宮一彦1 三木徳彦1

所属機関: 1大阪市立大学眼科学教室

ページ範囲:P.1605 - P.1609

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 急性扁桃炎から化膿性髄膜炎,敗血症が起こり,その加療中非拍動性の眼痛が5日間持続したのち,眼瞼下垂,全眼球運動障害,反対側眼球の外転障害を認めた1例を経験した。CT,MRI検査で蝶形骨洞と海綿静脈洞との骨壁が欠損しており,同部に肉芽腫性変化を認め,Tolosa-Hunt様症候群を呈したものと考えた。CT,MRIの両検査で海綿静脈洞の肉芽腫性変化を捉え得た症例は少なく,ここに報告する。副鼻腔炎の約3%が蝶形骨洞炎との報告があり,自験例のような後部眼窩蜂窩織炎は決して多くはないが,眼球運動障害や複視を認めれば,後部篩骨洞や蝶形骨洞の炎症をも念頭におかなければならないと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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