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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻12号

1992年11月発行

文献概要

臨床報告

短期間で自然治癒した小児の外転神経麻痺の1例

著者: 藤村博美12 綾木雅彦12 根岸一乃12 大出尚郎12 小口芳久2

所属機関: 1慶應義塾大学眼科 2静岡赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1611 - P.1613

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 6歳女児の短期間にて自然治癒した外転神経麻痺の1例を報告した。本例は前駆症状がなく突然の複視で発症し,左外転神経麻痺以外には他の眼症状および神経学的症候はみられなかった。頭部X線とCTでも異常所見がみられず,血液検査では血清パラインフルエンザ抗体が256倍と上昇を示した。特別な治療なしで経過観察を行ったところ,発症より約3週後に外転神経麻痺は消失し,約6か月が経過した現在も再発は認められていない。本例は幸い経過良好であるが,小児の後天性外転神経麻痺は脳腫瘍や髄膜炎などの生命にかかわる疾患の1症状として発現してくる可能性を考え,十分な全身検査と経過観察が必要であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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