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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻12号

1992年11月発行

臨床報告

眼窩と結膜原発のリンパ系腫瘍17例の経過

著者: 伊藤良和1 伊東雅子1 土井素明1 有馬美香1 佐宗幹夫1 宇治幸隆1 大野敏之2

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室 2三重大学医学部第2内科学教室

ページ範囲:P.1615 - P.1618

文献概要

 1979年から1990年までの12年間に三重大学眼科にて入院加療を行った眼窩および結膜原発のリンパ系腫瘍17例の治療および臨床経過について検討を加えた。男性13例,女性4例,年齢は48〜89歳,平均62.5歳であった。組織診断は全例に対して生検が行われ,悪性リンパ腫6例(内訳は,diffuse large cell type2例,diffuse small cell type 4例),diffuse small cell typeと炎症偽腫瘍との鑑別困難な症例6例,炎症偽腫瘍5例であった。さらに免疫組織学的に検索された5例のうち3例に,monoclonalityがみられ,2例はpolyclonalであった。治療は,病変が結膜に限局しているものは生検のさいにほぼ全摘され,後療法は行っていない。病変が眼窩に及ぶもののうちlarge cell typeは放射線療法を第1選択とし,small cell typeと炎症偽腫瘍はステロイド療法か放射線療法を選択している。当科における本疾患の生命予後は良好であり,局所再発については,ステロイドでは無効か再発する症例に対して放射線療法が有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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