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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻13号

1992年12月発行

文献概要

臨床報告

白内障・緑内障合併症眼における緑内障手術:線維柱帯切除—後房レンズ挿入同時手術の得失

著者: 山上聡1 新家真2 安宅和代3 庄司信行4

所属機関: 1JR東京総合病院眼科 2東京大学付属病院分院眼科 3関東労災病院眼科 4武蔵野赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1687 - P.1692

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 線維柱帯切除術後,濾過胞が形成されている症例に対しPC-IOL挿入術を施行した25例27眼(濾過胞PC-IOL挿入術)と,眼圧下降剤投与によっても眼圧が20mmHg以下にコントロールできなかった緑内障を伴う白内障眼24例26眼に対し同時手術を施行した。術前患者背景因子が同等となるように選び,その両群についての術後経過を,視力,合併症,術後眼圧コントロール状態を比較検討した。術後0.5以上の視力を得た割合は,両群間で有意差はなかった。合併症では,フィブリン反応と一過性眼圧上昇(25mmHg以上)が同時手術群で有意に高率であった。術後眼圧は,同時手術群で高い傾向があり,薬物投与スコアも,同時手術群で9〜12か月目に有意に高値を示した。生命表法による術後20か月の時点での眼圧コントロール不良率は,濾過胞PC-IOL挿入術群14±9(SE)%,同時手術群16±8(SE)%で有意差はなかったが,濾過胞生存率は各々70±8(SE)%,22±9(SE)%で濾過胞PC-IOL挿入術群で有意に良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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