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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻13号

1992年12月発行

文献概要

臨床報告

網膜動静脈交差部での動静脈短絡

著者: 田中隆行1 村岡兼光1 得居賢二1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1711 - P.1721

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 各種の閉塞性網膜血管病1,885眼を対象として,連続螢光造影法を用いて,網膜動静脈交差部での動静脈短絡を検索した。その結果,動静脈短絡は糖尿病網膜症8眼,網膜静脈分枝閉塞症28眼,網膜中心静脈閉塞症2眼,網膜中心動脈閉塞症2眼,レーベル粟粒血管腫症2眼にみられた。動静脈短絡の形成された交差部では,螢光色素が動脈から静脈へ直接流入した。静脈内へ流入する色素は,短絡の形成初期には,軸流の場合と層流の場合があった。以上から,交差部での動静脈短絡は,高安病に特有の病変ではなく,血管拡張,透過性亢進が長期間続けば一般的に起きうる病変で,網膜血管が病的状態の場合にとりうる反応形式の1つであると結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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