icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻13号

1992年12月発行

文献概要

臨床報告

家族性滲出性硝子体網膜症と裂孔原性網膜剥離多数例の検討

著者: 大久保好子1 大久保彰1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1727 - P.1732

文献購入ページに移動
 FEVRに併発した網膜剥離85例101眼の臨床像を検討した。全101眼のうち90眼(89%)が裂孔原性網膜剥離であり,FEVR病型では全101眼のうち周辺部変性型が83眼(82%)と大多数を占めた。FEVRによる裂孔原性網膜剥離の初回手術眼83眼のうち68眼(82%)の主裂孔は網膜有血管野と無血管野との間の境界線に接する無血管野に存在した。FEVRによる裂孔原性網膜剥離の初回手術眼の再剥離原因の多くは,バックルによる網膜隆起辺縁の境界線に沿って形成される新裂孔や網膜固着術による過凝固部に生じる新裂孔によるものであった。FEVRに併発する裂孔原性網膜剥離に対する治療は,境界線を含む網膜無血管野の全領域をバックルによる網膜隆起の周辺側に乗せる広範囲強膜内陥術と適度な光凝固による二段階法が最も適切と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?