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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床報告

黄斑上膜に対する硝子体手術

著者: 日下俊次1 楠哲夫2 檀上幸孝3 池田恒彦4 田野保雄4

所属機関: 1八尾市立病院眼科 2大阪回生病院眼科 3大阪船員保険病院眼科 4国立大阪病院眼科

ページ範囲:P.123 - P.127

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 黄斑上膜に対して硝子体手術を施行した78例78眼(特発性黄斑上膜29例29眼,黄斑皺襞49例49眼)の手術結果についてretrospectiveに検討するとともに,対象例にアンケート調査を実施し,患者の満足度からみた手術適応に関して検討した。術後の視力改善,自覚的変視症の改善,手術結果に満足であったものは,特発性黄斑上膜ではそれぞれ29眼中25眼(86%),20眼中9眼(45%),26眼中16眼(62%),黄斑皺襞ではそれぞれ49眼中43眼(88%),31眼中18眼(58%),42眼中25眼(60%)であった。手術の満足度と関連があったのは特発性黄斑上膜では自覚的変視症の改善で,黄斑皺襞では術後視力良好であった。合併症として水晶体核硬化の発生あるいは進行は全体で10眼(21%)に,術後網膜剥離の発生は5眼(6%)にみられた。特発性黄斑上膜では,視力が改善しても満足を得ているわけではなく,合併症の発生を考慮にいれると,視力良好例に対しての手術には問題があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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