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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床報告

角膜角化症と考えられる1例

著者: 森康子1 下村嘉一2 檀上真次2 松田司2 濱野孝2 真鍋禮三2 笹木右子3

所属機関: 1大阪警察病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室 3済生会野江病院眼科

ページ範囲:P.179 - P.182

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 角膜角化症と考えられる1例を報告した。症例は61歳の女性で,左眼視力低下と異物感を主訴とした。前眼部所見では,左眼下側角膜輪部から中央部に向かって棒状の膜様物が侵入していた。治療的生検の目的で切除した標本を組織学的に検討した。光顕像では,重層した扁平上皮細胞がみられ,表層の細胞は核を失い,角化していた。電顕像で,表層部に無核,無構造な角化傾向を示す細胞が存在し,基底部においては細胞質内細線維が発達しており,角化像が示された。隣接細胞間は多数のデスモゾームで連結していた。なお,膜様物切除後,左眼視力は(1.0)に改善し,現時点において膜様物の再発は経験していない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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