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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床報告

前房内に自然排出した眼内異物の症例

著者: 神田智1 上原雅美1 前田英美1 梅山圭以子1 山崎康宏

所属機関: 1松下記念病院眼科

ページ範囲:P.183 - P.186

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 臨床所見より眼球鉄症を疑いながら,画像診断では異物の確認ができず,経過観察中に前房内に異物が自然排出した1症例を経験した。症例は36歳男性。角膜に穿孔創はなく,水晶体は全体に混濁し,前嚢下にrust spotがあった。ERGではb波低下,律動様小波の消失があった。また摘出水晶体は鉄染色陽性であった。その後,隅角下方に異物が自然排出した。摘出した異物の主成分は樹脂で,ごく微量の鉄を含有していたため,非金属に含有された鉄により眼球鉄症を発症したと結論した。画像診断上異物が確認できない症例でも,非金属に含まれる微量の鉄により,眼球鉄症が発症する可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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