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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻3号

1992年03月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(1)1991年10月 広島 学会原著

網膜静脈閉塞症に対する組織プラスミノーゲンアクチベータによる線溶療法

著者: 小川憲治1 白方雅子12 生野恭司2 斉藤喜博2 張野正誉2

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2大阪府立病院眼科

ページ範囲:P.237 - P.241

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 自覚症状出現から2週間以内の網膜静脈閉塞症6例に組織プラスミノーゲンアクチベータ(tissue-type plasminogen activator:t-PA)を投与した。方法は初日に1,000万国際単位,2日目,3日目に500万国際単位を1時間の静注で投与した。その結果,投与前視力と比べて投与終了直後に全例で視力改善を得た。しかし,投与後1か月の段階では視力改善4例,不変1例,悪化1例となり,2例で投与終了後に再増悪を認めた。眼および全身合併症はなかった。組織プラスミノーゲンアクチベータは新鮮例網膜静脈閉塞症に対する有効な治療法であるが,投与量,適応症例,および再閉塞予防のための血小板凝集抑制剤および抗凝固剤併用の検討が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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