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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻3号

1992年03月発行

文献概要

臨床報告

遮閉除去試験にみられる眼球運動の特徴

著者: 長谷部聡1 大月洋1 田所康徳1 渡辺聖1 岡野正樹1 渡辺好政1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.351 - P.354

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 12例の斜位症例を対象に,遮閉除去試験で生ずる眼球運動を計測した。その結果,サイクロピアン眼を固視目標に向けるむき運動(sacca-de)と融像性よせ運動(fusional vergence),さらに修正的な小さいむき運動を伴う両眼の眼球運動を認めた。症例の50%は,被検眼を変えて検査を行うと異なる大きさのむき運動を示し,症例の88%は左右非対称のよせ運動を示したが,hole in card testで定めた優位眼との間に一定の関係は認めなかった。これらの眼球運動の特徴はPick‐wellの主張を裏付けるものであり,遮閉を除いた片眼のみに固視運動が生ずるとする従来の成書の記載とは明らかに異なるものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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