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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻3号

1992年03月発行

臨床報告

Sinusotomyが奏効したSturge-Weber症候群に合併した緑内障の2例

著者: 岸本直子1 星島佳容子1 竹山知永子1 山岸和矢1 三木弘彦1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.377 - P.381

文献概要

 Sturge-Weber症候群に合併した慢性の開放隅角緑内障2症例を経験した。症例は14歳と51歳の女性で,顔面血管腫と同側眼に緑内障を合併していた。隅角の発育異常はみられず開放隅角であったが,上強膜血管は著明に拡張していた。薬物療法では眼圧コントロールは不良であったので,sinusotomyを行い,良好な眼圧コントロールを得た。Sturge-Weber症候群に合併した緑内障に対してtrabeculectomyを行うと術中に急激な眼圧低下が生じて脈絡膜剥離などの重篤な合併症を起こしやすいという報告があるが,sinusotomyは結膜下でSchlemm管内壁を残存させて外壁のみを強膜とともに切除するので前房を開放しない濾過手術であり,術中に急激な眼圧低下を生じないので合併症は少なく,本症候群の緑内障に対しては安全かつ有効な手術術式と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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