icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻3号

1992年03月発行

文献概要

臨床報告

Pasteurella multocidaによる全眼球炎の1例

著者: 宮島理乃1 松村美代2 後藤保郎3 坂口淑子4 山下秀明

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2京都大学医学部眼科学教室 3兵庫県立尼崎病院眼科 4兵庫県立尼崎病院小児科

ページ範囲:P.387 - P.389

文献購入ページに移動
 筆者らは,Pasteurella multocidaによる稀な眼内感染例を経験した。症例は2歳女児で,結膜裂傷と思われる外傷から1か月後,発熱・嘔吐・眼瞼腫脹で受診した。角膜は透明であったが結膜下膿瘍を認め,眼内炎が疑われただちに硝子体手術を行い,術中硝子体膿瘍が判明した。原因菌はPasteurella multocidaと同定され,グラム陰性桿菌であり,さまざまな種類の動物の上気道に常在する。人間への感染源としては,犬・猫によるものがほとんどである。外傷時の詳細は不明であるが,猫のいる環境で暮らしていたので,猫の爪による球結膜・強膜創から菌が眼内に入り全眼球炎に至ったと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?