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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島 学会原著

未熟児網膜症の光凝固・冷凍凝固治療による視機能への影響

著者: 井出賀洋子1 野村耕治1 高山昇三1 山本節2

所属機関: 1兵庫県立こども病院眼科 2神戸大学眼科学教室

ページ範囲:P.419 - P.423

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 未熟児網膜症の瘢痕病変が比較的軽度で同程度の,治療15例30眼,自然治癒15例29眼を対象として,瘢痕期の視機能を比較した。矯正視力は,治療眼,自然治癒眼とも9割が0.7以上であった。屈折値は,治療眼の7割,自然治癒眼の9割が,+3Dから−3Dの範囲に含まれたが,全周光凝固施行例1例で,強度の近視性乱視を認めた。眼位異常は治療例より自然治癒例に多かった。治療の有無と眼軸長に明らかな相関はなかった。
 光凝固治療はそれ自体視機能への影響は小さく,結果的に瘢痕を軽度にしてよりよい視機能を得るために,症例によっては活動期Ⅲ期中期の増殖性病変に部分的な適応を考慮するなど,これまで以上に積極的に選択されてよいと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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