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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島
学会原著
文献概要
強度近視における網膜色素上皮(RPE)機能を電気生理学的に測定し,種々の病像とRPE機能の関連性ならびに他の新生血管黄斑症との病態の違いを検討した。強度近視17例34眼にてL/D比,高浸透圧応答,Diamox応答,メイロン応答の各EOG応答を調べた。眼底が豹紋状のみであってもDiamox応答で異常が検出され,網脈絡膜萎縮や黄斑部出血の発症にRPE機能の広範囲な障害が関与していることが示唆された。また網脈絡膜萎縮が広範囲になるほどRPE機能が障害される傾向があった。高浸透圧応答とメイロン応答の異常が多く,Diamox応答の異常が少ないことから老人性円板状黄斑変性やGrönblad-Stran-dberg症候群に類似した病態が推察された。
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