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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島 学会原著

流行性角結膜炎の院内感染のウイルス学的,理論疫学的検討

著者: 内尾英一1 小林伸好2 佐伯宏三3 岡田和四郎1 大野重昭1

所属機関: 1横浜市立大学眼科 2横浜市衛生研究所 3小田原市立病院眼科

ページ範囲:P.459 - P.463

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 2つの異なる病院の眼科病棟(院内感染1:41床,院内感染2:30床)で発生した流行性角結膜炎の院内感染について検討した。罹患者はそれぞれ15例,28例で,発症率は19.0%,20.3%であった。アデノウイルス37型の全分離例のDNA切断パターンはすべて同一であった。院内感染1は病棟閉鎖によって終息し,院内感染2は感受性者数が不変であるにもかかわらず,11週間で制圧された。理論疫学のReed-Frostモデルを適用して求めた接触率は流行極期で0.18〜0.28/週,通常期で0.03〜0.05/週と推測された。流行性角結膜炎の伝播形式は水系伝染病に類似し,感受性者数を減らすか,接触率を下げる努力によって流行が制圧できることが理論疫学的に推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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