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臨床報告
単純糖尿病網膜症の黄斑部機能
著者: 福田敦1 吉村弦1 尾上正軒1 今泉利雄1 森敏郎1 高橋洋司1 田澤豊1 桑島研一1 町田繁樹1 後藤寿裕1
所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.547 - P.550
文献購入ページに移動対象は福田分類でA—Ⅰ,Ⅱおよび初期のB—Ⅰの22眼である。30HzフリッカーERGはその振幅と頂点潜時を求めた。静的量的視野測定はハンフリー自動視野計で中心窩および中心10°以内の感度を求めた。フリッカーERGの振幅が低下し,頂点潜時が延長した例では,視力が低い傾向を示した。さらに,中心窩感度の低下した例においても,視力が低い例を9眼認めた。傍中心窩感度と視力との間においても中心窩感度と同様の傾向を示し,特に,上耳側の感度と視力が最も高い相関を示した。
30HzフリッカーERGおよび網膜感度と視力との間には一定の相関を示したことから,30HzフリッカーERGおよび網膜感度の測定は,単純糖尿病網膜症の黄斑部の機能を評価する一助となると思われた。
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