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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(3)1991年10月 広島 学会原著

Polymerase Chain Reaction法によるクラミジアの検出

著者: 青木功喜1 柏誠2 橋本信夫2

所属機関: 1青木眼科 2北海道大学獣医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.613 - P.616

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 一医療施設で治療中の結膜炎患者の瞼結膜から,経日的に採取された7例の患者を含む結膜材料22検体,およびトラコーマ群の28例の眼結膜擦過材料28検体についてPCR法増幅を試みた。回収液にSDS-ETを使用した結膜炎患者の擦過材料では,螢光抗体法を応用した市販のMicro Trak®で抗原陽性と判定された4例の患者の18検体のうち11検体からクラミジア遺伝子が検出された。また治療中,抗原陰性と判定された日に採取された9検体のうち,2検体がクラミジア遺伝子陽性であった。30サイクルと40サイクルの増幅成績の比較では,治療中の同一患者の検体においてDNA増幅量の経日的な減少が示され,治療との対応が認められた。また,同時に供試されたクラミジア抗原陰性患者の瞼結膜擦過材料のDNAと鋳型DNAを含まない反応液のみの対照群において増幅はみられなかった。クラミジア抗原陰性で血中抗体価の高かったトラコーマ患者でのPCR増幅はすべて陰性であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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