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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(3)1991年10月 広島 学会原著
無縫合自内障手術の意義と術前乱視矯正角膜減張切開術
著者: 深作秀春1
所属機関: 1深作眼科
ページ範囲:P.645 - P.649
文献購入ページに移動 二つの異なった方法で行った白内障手術と眼内レンズ挿入術876眼についての結果を検索した。ブリッジ切開と無縫合自己閉鎖方式の176眼(A群),ポケット切開と4X連続縫合の600眼(B群),無縫合自己閉鎖方式と角膜減張切開術を併用した100眼(C群)である。術前乱視は,A群では1D以内,C群では1D以上平均1.8Dであった。術翌日の乱視は,A群では平均2.9Dであり,3か月後には平均0.3になった。B群では,術翌日の平均が0.2Dであり,術後1年間この値を保っていた。C群では,術翌日の平均が0.3Dで,2か月後には平均0.2Dであった。術後1か月での0.5以上の裸眼視力は,A群では42%,B群では69%,C群では83%で得られた。以上の事実から,術前倒乱視が1D以上の白内障眼に対しては,無縫合自己閉鎖方式と角膜減張術を併用することが有用であると結論される。
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