臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集（3）1991年10月　広島

学会原著

前房水より単純ヘルペスウイルスが検出された桐沢型ぶどう膜炎の5症例

著者： 山本修士¹³ 下村嘉一¹ 湯浅武之助¹ 檀上眞次¹ 中川やよい¹ 多田玲¹ 山本領子² 松原謙一³

所属機関： ¹大阪大学医学部眼科学教室 ²関西医科大学眼科学教室 ³大阪大学細胞工学センター

ページ範囲：P.665 - P.667

文献概要

　近年，桐沢型ぶどう膜炎の原因ウイルスとして，水痘・帯状ヘルペスウイルス（VZV），単純ヘルペスウイルス（HSV）の関与が指摘されている。今回，筆者らは臨床的に桐沢型ぶどう膜炎と考えられた7例7眼の前房水より，PolymeraseChain Reaction （PCR）法により，各ヘルペスウイルスの検出を試みた。7例中5例の前房水より，HSV特異的なDNAが検出されたが，VZVあるいは，サイトメガロウイルス（CMV）のDNAは1例も検出されなかった。すなわち，これらの症例では、原因ウイルスとして、HSVの関与が強く示唆された。