文献詳細
特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(3)1991年10月 広島
学会原著
文献概要
一眼の白内障手術が他眼に及ぼす交感性反応について検討した。嚢外摘出術を行った9例と嚢外摘出術および眼内レンズ挿入術を行った21例の計30例を対象として術前および術後1,3日,1,2週,1,2,3,6か月目に非手術眼の対光反応諸因子ならびにフレア値を測定し,統計学的に検定した。一定数の症例において瞳孔面積の縮小(縮瞳)およびフレア値の上昇が術後早期から現れ前者は後者よりも高頻度かつ長期間にわたって認められた。この縮瞳は嚢外摘出術群で術後3日,眼内レンズ挿入群で術後1か月まで有意に認められた。両眼の白内障手術を行う際には,この交感性反応の存在を念頭において手術間隔を設定することが望ましいと思われた。
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