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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(3)1991年10月 広島 学術展示

視神経乳頭腫脹を合併したサルコイドーシスの4例

著者: 青山さつき1 宮崎茂雄1 尾上晋吾1 下奥仁1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.688 - P.689

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 緒言 サルコイドーシスでの視神経病変は,脳神経のうちでは顔面神経障害についでその頻度が多いとされる1)が,詳細にはあまり検討がなされていない。過去15年間に兵庫医科大学病院眼科を受診した眼症状を持つサルコイドーシス28例のうち,視神経乳頭の腫脹をきたした4例について検討する。これ以外に視神経病変を認めた症例としては,乳頭部肉芽腫2例3眼がありこのうち1例は他眼に球後視神経炎症状を認めた。
 症例 【症例1】 58歳男性。2週間前から両眼霧視があった。視力は右眼(0.7),左眼(1.0)で,両眼ともに視神経乳頭が火焔状出血を伴って発赤浮腫状であった以外に著変を認めなかった(図1)。蛍光眼底撮影では視神経乳頭からの色素漏出が認められた。視野検査では両眼のマリオット盲点の拡大と右眼での鼻下1/4半盲傾向が認められた(図2)。CFFは右眼30Hz,左眼30Hzで,両眼の視神経乳頭炎と診断された。各種精査でも原因確定できなかったがステロイド治療にて改善した。この7年後ぶどう膜炎を発症し,両側肺門部リンパ節腫脹,生検結果などによりサルコイドーシスが確定し,前回の乳頭炎の原因としてサルコイドーシスが考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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