文献詳細
特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(3)1991年10月 広島
学術展示
文献概要
緒言 ヒト眼水晶体が蛍光を発することはよく知られているが,フルオロフォトメトリーを用いることにより簡便に水晶体自発蛍光を測定することが可能である。この水晶体自発蛍光は加齢により増大し1,2),糖尿病の存在や2〜4)網膜剥離5)あるいは硝子体手術操作6)によって増強されると報告されている。糖尿病においては同年代正常者よりも水晶体自発蛍光が強く2,4,7),光透過性が低下する2,5)ものの,罹病期間,網膜症の有無,インスリン依存性の有無との関連性はないと報告2)されているが,血糖コントロールの良否との関係はまだ検討されていない。そこで今回筆者らは,糖尿病患者および正常対照者の水晶体自発蛍光を測定し,比較検討を行った。
対象および方法 対象は正常対照者8例10眼(50〜60歳),糖尿病患者12例18眼(50〜71歳)である。角膜および中間透光体に混濁のあるもの(白内障を含む),強度の屈折異常,緑内障は対象から除外した。フルオロフォトメトリーにはCoherent社製の“Fluo-rotron Master”を用いた。十分な散瞳下に測定を行い,補正計算(図1)2,7)にて水晶体前嚢直下(図1;A)および水晶体後嚢直下(図1;P)の自発蛍光を求め,前者をAnterior Peak Fluorescence (APF),後者をPosterior Peak Fluorescence (PPF)とし,APFの値をもって水晶体自発蛍光とした。
対象および方法 対象は正常対照者8例10眼(50〜60歳),糖尿病患者12例18眼(50〜71歳)である。角膜および中間透光体に混濁のあるもの(白内障を含む),強度の屈折異常,緑内障は対象から除外した。フルオロフォトメトリーにはCoherent社製の“Fluo-rotron Master”を用いた。十分な散瞳下に測定を行い,補正計算(図1)2,7)にて水晶体前嚢直下(図1;A)および水晶体後嚢直下(図1;P)の自発蛍光を求め,前者をAnterior Peak Fluorescence (APF),後者をPosterior Peak Fluorescence (PPF)とし,APFの値をもって水晶体自発蛍光とした。
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