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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床報告

虹彩炎が併発した角膜辺縁変性症(Terrien)の1例

著者: 川崎いづみ1 堀内浩史1 清水敬一郎1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.734 - P.737

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 虹彩炎が併発した両眼性のTerrien'smarginal corneal degenerationの1例を経験した。症例は66歳の女性で,主訴は両眼の視力低下であった。右角膜周辺部には混濁,菲薄化,表層血管侵入があり,中央部は高度な肥厚,混濁を示していた。菲薄化は角膜周辺部全周にわたり,いわゆるcontact lens cornea様であった。左角膜にも鼻側周辺部の菲薄化があり,中央部は肥厚,混濁を示していた。さらに両眼に漿液性虹彩炎の併発が認められた。治療による虹彩炎の消退とともに角膜中央部の肥厚,混濁は軽快し視力の向上をみたが,経過中,左角膜菲薄部が穿孔に至った。このため角膜上皮形成術(keratoepithelioplasty)を施行した。術後の経過は良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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