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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床報告

重篤な角結膜瘢痕を呈したToxic Epidermal Necrolysisの1例

著者: 妹尾健治1 上総良三1 中村誠2

所属機関: 1神戸労災病院眼科 2神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.757 - P.762

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 重篤な角結膜瘢痕を呈したTENの1例を経験した。症例は55歳,男性,肺癌術後,抗生剤投与により中毒性表皮壊死融解症—toxic epi-dermal necrolysis(TEN)が発症した。急性期における全身管理により救命され全身皮膚病変は改善したが初発症状であった角結膜炎は遷延化し角膜上皮は広範囲に壊死消失しその後,角膜上は徐々に瘢痕組織に置換され高度の視力障害に陥った。TENの発症機序として近年,移植片対宿主反応—graft versus host reaction(GVHR)が示唆されているが角結膜上皮においてもGVHRが起こっていてもなんら不思議ではない。本疾患における角膜障害は主に涙液減少症による軽症例が多いとされているが本症例の高度の角膜障害はGVHRによる角結膜の炎症が遷延化し角膜上皮が広範囲に障害されたためと推察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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