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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床報告

走査型レーザー検眼鏡による眼底の観察

著者: 須藤憲子1 田中隆行1 坂本道子1 大谷倫裕1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.763 - P.770

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 走査型レーザー検眼鏡(SLO)を用いて,各種眼底疾患のある393眼の眼底を観察記録した。光源としてアルゴンとヘリウムネオンの2種類のレーザーを用い,解像力,波長特性,焦点深度について,従来の眼底カメラによる画像と比較した。網膜血管については,SLOは,従来の眼底カメラに近い解像力が得られた。また,モニタ画面の動画に比べ,静止画では解像力の低下が言立った。アルゴンレーザー青(488nm)では,神経線維など網膜表面の変化について良好なコントラストが得られた。黄斑前膜や網膜雛襞など,眼底カメラではとらえにくい変化を観察できた。ヘリウムネオンレーザー(633nm)では,網膜深層から脈絡膜にかけての深層の画像が強調されて観察できた。SLOの焦点深度は深く,網膜表面に焦点を合わせたままで硝子体混濁の観察が可能であった。観察および撮影光量が少なく,被検者の羞明感は少なかった。SLOは,眼底カメラに近い解像力が得られ,波長に応じて眼底の表層や深層が強調されるだけでなく,網膜表層や硝子体など,従来の眼底カメラではとらえにくい部位の観察記録が可能であり,焦点深度が深く,眼底の観察に有用な検査法であると評価された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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