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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻5号

1992年05月発行

臨床報告

半導体レーザー経瞳孔網膜光凝固の臨床成績

著者: 野寄忍1 斉藤民也1 小倉修1 大木隆太郎1 野寄喜美春1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.771 - P.777

文献概要

 半導体レーザーは装置面での利点が多く,眼科臨床への応用が期待されるが,810nmのレーザー光は網膜色素上皮の吸収が少なく,凝固能率が悪いと思われる。筆者らは各種の眼底病95眼に対し臨床応用を行い,平均10か月の経過観察を行った。その結果,色素レーザー(630nm)に比べて1.5〜2倍の出力を要すること,また適正凝固条件の範囲が狭いことが判った。また臨床所見としては,高度の出血,浮腫病変に対しての凝固効果はきわめて少なく,浮腫の軽減には長期問を要した。しかし出血,浮腫が軽度の場合には,クリプトンレーザーとほぼ同様の効果が得られた。合併症として,過剰凝固による網脈絡膜萎縮が3例あり,また他のレーザーに比べて凝固時,疼痛の訴えが多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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