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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島 学会原著

網膜硝子体境界面の正常構造

著者: 原彰1 百瀬皓2

所属機関: 1日本医科大学第一病院眼科 2臨床眼科研究所

ページ範囲:P.825 - P.828

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 人眼120眼を使用しプロテアーゼ酵素により網膜内境界膜を人為的に網膜,硝子体面より剥離し境界面の構造を調べた。硝子体皮質のマトリックスは酵素により消化されたが網膜内境界膜のマトリックスは消化されず,マトリックスの構成はそれぞれ独立していることがわかった。網膜内境界膜の表面には円球状または円柱状の多数の隆起がみられた。この隆起部は硝子体皮質線維が網膜内境界膜へ進入する場所であることから,線維構成という構造から考えると硝子体皮質と内境界膜とは不可分の関係をなしていると考えられた。網膜大血管上の内境界膜の裏面は血管走行に一致して深い溝が形成され薄くなっていたが貫通孔は存在しなかった。この溝では稀にモザイク紋様の乱れがみられマトリックス内の線維成分が露出していた。線維成分は,硝子体線維と同じ直径の20nmであった。乳頭と網膜内境界膜の移行部の生理的な割れ目はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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