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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島 学術展示

眼底病変を呈した福山型先天性筋ジストロフィー症の同胞例

著者: 吉村圭子1 山名敏子2 西村みえ子3 楢崎修4

所属機関: 1福岡市立こども病院・感染症センター眼科 2浜の町病院眼科 3医療法人浩心会 4福岡市立こども病院・感染症センター小児神経科

ページ範囲:P.872 - P.873

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 緒言 福山型先天性筋ジストロフィー症は1960年福山らにより提唱された知能障害,中枢神経系の異常を伴う筋ジストロフィー症で1),乳児期に発症し,本邦に多い。本症は同胞罹患,血族結婚が多いことから,常染色体性劣性遺伝とする説があるが,剖検例における炎症所見から胎内感染するという説もあり,病因は明らかでない。近年本症の眼底異常が報告され2〜5),中枢性病変との関連が注目されている。眼底所見としては,視神経萎縮2〜4),網膜血管の形成異常2),黄斑偏位2,4),眼底周辺部の灰白色の色調ムラ2,3,5),網脈絡膜萎縮3),後部硝子体剥離5)が報告されている。今回筆者らは,本症に特徴的と思われる眼底病変を呈した同胞例を経験したので報告する。
 症例 【症例1】 1歳男児。主訴:発達の遅れ。既往歴:母の妊娠後期に軽度妊娠中毒症あり,41週で吸引分娩にて3,100gで出生。現病歴:3か月で追視,頸定は10か月であった。12か月で寝返り,独座ができないため当院小児神経科を受診。家族歴:血族結婚なし筋疾患なし。全身所見:四肢の自発運動はほとんどなく,筋緊張は低下しており,両側膝関節の屈曲拘縮あり。血清CPK値は5,504IU/l (正常値9〜86)と異常高値。頭部CT scanでは,白質の著明な低吸収域,脳室の拡大がみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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