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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島 学術展示
うっ血乳頭,外転神経麻痺を主症状とした急性前骨髄球性白血病の髄膜播種の1例
著者: 江畑理佳1 大原こずえ1 鈴木康之1 足立憲彦1 池田幾子1 谷野洸1
所属機関: 1関東逓信病院眼科
ページ範囲:P.886 - P.887
文献購入ページに移動症例 62歳,男性。1989年2月に急性前骨髄球性白血病と診断され,化学療法にて完全寛解のまま内科で経過観察中であった。1991年4月に入ってから霧視,複視が出現したため4月8日当科初診。初診時,視力:右0.7(矯正1.2)左0.2(矯正1.5)。眼圧:右15mmHg,左15mmHg。前眼部,中間透光体異常なし。眼底は,両眼に中等度うっ血乳頭および軽度の乳頭上出血を認めた。また左眼に完全外転神経麻痺を認めた。Goldmann視野測定ではマリオット盲点の拡大を認め,CTでは脳室の軽度拡大が認められ,頭蓋内圧亢進症の可能性が示唆された。4月18日再診時には,視力:右0.4(矯正0.6)左0.5(矯正0.7)と低下,うっ血乳頭,乳頭上の出血はさらに増悪し,網膜前出血も併発していた。また,患者はこの頃より,数秒間の意識低下発作を起こすようになった。
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