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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島 学術展示

うっ血乳頭,外転神経麻痺を主症状とした急性前骨髄球性白血病の髄膜播種の1例

著者: 江畑理佳1 大原こずえ1 鈴木康之1 足立憲彦1 池田幾子1 谷野洸1

所属機関: 1関東逓信病院眼科

ページ範囲:P.886 - P.887

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 緒言 白血病の寛解導入率が高まり,寛解後の経過観察の重要性が認識されている中,髄膜内再発(髄膜白血病)が血液学的再発に先行して生じる所見の一つとして重視されている。今回筆者らはうっ血乳頭,外転神経麻痺,網膜出血を初発症状として髄膜内再発をきたした急性前骨髄球性白血病(acute promyelocy-tic leukemia:APL)の症例について報告する。
 症例 62歳,男性。1989年2月に急性前骨髄球性白血病と診断され,化学療法にて完全寛解のまま内科で経過観察中であった。1991年4月に入ってから霧視,複視が出現したため4月8日当科初診。初診時,視力:右0.7(矯正1.2)左0.2(矯正1.5)。眼圧:右15mmHg,左15mmHg。前眼部,中間透光体異常なし。眼底は,両眼に中等度うっ血乳頭および軽度の乳頭上出血を認めた。また左眼に完全外転神経麻痺を認めた。Goldmann視野測定ではマリオット盲点の拡大を認め,CTでは脳室の軽度拡大が認められ,頭蓋内圧亢進症の可能性が示唆された。4月18日再診時には,視力:右0.4(矯正0.6)左0.5(矯正0.7)と低下,うっ血乳頭,乳頭上の出血はさらに増悪し,網膜前出血も併発していた。また,患者はこの頃より,数秒間の意識低下発作を起こすようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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