文献詳細
臨床報告
文献概要
走査レーザー検眼鏡(SLO)による螢光眼底造影を,正常ならびに病的な眼底に対して行い,従来の眼底カメラによる螢光眼底造影では得られていない次の4つの新知見を得た。1)毎秒30コマの高速度な検索が可能なため,網膜静脈分枝閉塞症などで生じた側副血行路の拍動を伴った血行動態がより詳細に観察可能になった。2)螢光造影剤の静注後60分以上の超後期像の観察が可能になった。3)検眼鏡的ないし従来の螢光眼底造影ではとらえることが困難であった網膜のmicrocystoid edemaが容易に観察できるようになった。4)画角20度での中心窩毛細血管網の動的観察により,毛細血管を流れる多数の螢光点が観察できたことなどがそれである。この螢光点は,白血病患者では,正常者よりもはるかに多数であった。さらに,正常者の血液の螢光染色では,白血球と血小板が強く螢光色素で染色された。これにより,今回観察された過螢光点は白血球と血小板であると結論された。
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