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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

臨床報告

原田病類似の漿液性網膜剥離を合併した樹氷状血管炎の成人例

著者: 鈴木治之1 竹田宗泰1 鈴木純一1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.919 - P.922

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 原田病類似の両眼性の漿液性網膜剥離をきたし,網膜静脈の白鞘化を呈したいわゆる樹氷状血管炎の1例を報告した。症例は24歳女性で,初診時視力は右0.02,左0.1。両眼に視神経乳頭の発赤,多発性の漿液性網膜剥離,広範な静脈の白鞘化をみた。螢光眼底撮影では両眼とも脈絡膜から網膜下への螢光漏出,および白鞘化した静脈と乳頭からの漏出が認められた。4か月後に夕焼け状眼底は示さず,後極部から中間周辺部にかけて散在性の網膜色素上皮の小斑状萎縮巣が認められ,螢光眼底撮影ではそれに一致した過螢光がみられた。本症例は原田病に類似する所見を伴い樹氷状血管炎を呈した稀な症例と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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