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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

臨床報告

シェーグレン症候群におけるドライアイの総合的評価

著者: 引地泰一1 吉田晃敏2 坪田一男3 田村仁4

所属機関: 1釧路赤十字病院眼科 2旭川医科大学眼科 3東京歯科大学眼科 4北見赤十字病院眼科

ページ範囲:P.941 - P.945

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 72人のシェーグレン症候群(SjS)患者における眼所見を自覚検査,他覚検査の両面から多角的に検討した。眼疾患を有さない16人を対照群として用いた。その結果,「眼がかわく」「目が疲れる」という2つの愁訴が最も高頻度(72.9%)に認められた。涙液クリアランスおよび鼻刺激による涙液分泌が,SjS患者(4.4±2.4倍,11.5±8.6mm)において対照群(13.3±6.7倍,28.5±5.9mm)に比べ,いずれも低値であり(p<0.05,p<0.01),涙液動態の異常および反射性涙液分泌の低下が明らかとなった。角膜上皮のスペキュラー像をみると,紡錘形細胞や有核細胞が出現する症例が確認され(8例,15%),これらは角膜上皮の創傷治癒過程を反映していると推測された。ブラッシュサイトロジーによる検討では,瞼結膜および球結膜リンパ球の出現頻度がSjS患者(13.2±6.2%,3.8±2.1%)において対照群に比べ(1.0±2.5%,0.6±0.8%)有意に高値で(p<0.01,p<0.01),全身の炎症との関連が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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