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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島 学会原著

TrabeculotomyとSinusotomy併用手術後の眼圧

著者: 熊谷映治1 寺内博夫1 永田誠1

所属機関: 1永田眼科

ページ範囲:P.1007 - P.1011

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 Trabeculotomy手術直後の併発症としての一過性眼圧上昇の予防策としてsinusotomyを併用する方法(LOT+SIN)を用いてtrabecu-lotomy手術単独(LOT)の場合と比較検討したところ,以下の結果をみた。
 1)術後早期(24時間以内)に眼圧上昇をきたす症例が両群ともに認められたが,有意にLOT+SIN群では少なく,30mmHg以上の眼圧上昇があった症例は,LOT+SIN群で1眼(6%),LOT群で5眼(26%)であった。また術後6時間から24時間までの眼圧はLOT+SIN群で有意に低く,LOT群では術後6時間に41mmHg,LOT+SIN群では術後24時間に34mmHgが最高の眼圧であった。
 2)両群ともに,術後18時間に前房出血が多く残っている症例では,術後早期に眼圧が上昇していることが多い傾向がみられた。
 3) LOT+SIN群では,濾過胞が嚢胞様の場合最終眼圧はlow teenthであった。
 以上の結果より,LOT+SIN手術は術後早期の一過性眼圧上昇を抑え,視神経障害の進行した緑内障の症例に有川な手術であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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