icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島 学会原著

原発性定型網膜色素変性の遺伝的異質性と予後に関する18施設調査

著者: 早川むつ子1 藤木慶子1 松村美代2 大庭紀雄3 松井瑞夫4

所属機関: 1順天堂大学眼科学教室 2県立尼崎病院眼科 3鹿児島大学眼科学教室 4日本大学眼科学教室

ページ範囲:P.1025 - P.1029

文献購入ページに移動
 1990年の6か月間に18施設を受診した定型網膜色素変性534例(男性252例,女性282例)の遺伝形式別頻度は孤発例(孤発)54%,常染色体劣性(劣性)25%,常染色体優性(優性)17%,X染色体性(X性)2%,推定困難が2%であった。自覚症状発現時期は平均26歳で,X性が最も早く,優性と劣性の間に有意差は認められなかった。視力0.1以下の眼は,20歳未満で10%,20〜39歳で25%,40〜59歳で38%と上昇し,60歳以上で43%であり,経過年数20年未満では21%で,20〜39年で43%,40〜59年で61%と上昇し,60年以上で67%であった。高度視野障害眼の頻度は視力0.1以下の眼の頻度を上まわっていた。優性と孤発は劣性よりも障害が軽い傾向が認められた。遺伝形式別頻度や,高度障害の年齢や経過年数別頻度,ならびに遺伝形式による予後の差異は,遺伝相談および経過の説明に際し,有用な資料となり得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?