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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島 学会原著

今日の日本人の眼球突出度について

著者: 中山智彦1 若倉雅登1 石川哲1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1031 - P.1035

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 日本人の眼球突出度の正常値についての研究は,戦前に多数報告されたが,戦後では1955年の報告を最後にその後の研究がない。戦後の体格の向上は目覚ましく,それに伴い眼球突出度の正常値も変化していると考え再調査を行った。対象を成人屈折正常群,小児群,強度近視群に分類し,合計650名1,300眼でHertel眼球突出計を用いて施行した。その結果,成人正常群では男性15.3mm,女性15.1mmと,ともに戦前値より約2mmの増加を認めた。小児群は,男児13.9mm,女児14.0mmであった。強度近視群においては,男性15.6mm,女性15.4mmであったが,正常群との有意差は認められなかった。なお,成人正常群における左右差は97%が1.5mm未満で2.5mm以上は認められなかった。また両眼窩縁外側間距離の平均値は,男性103.9mm,女性98.6mmで、やはり戦前値より若干高値を示した。さらに,近年報告されている白人および黒人の眼球突出度の値と照らし,比較検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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