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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島 学術展示
後天性網膜分離症の2例
著者: 高柳克典1 藤井千雪1 小原啓子1 小嶋一晃1 臼井淳2
所属機関: 1福井医科大学医学部眼科学教室 2臼井眼科医院
ページ範囲:P.1048 - P.1049
文献購入ページに移動症例 症例1:24歳,男性。初診:1989年2月15日。主訴:右眼視野異常。現病歴:1989年2月初めより右眼の上方視野異常に気づき,近医にて網膜剥離の疑いを指摘され当科に紹介された。既往歴・家族歴:特記すべきことなし。初診時所見:視力は右0.08(1.0×-5.5 D),左0.1(1.2×-4.0 D)。眼位,眼球運動は正常で,眼圧は右12mmHg,左15mmHg。左眼底には異常所見はみられなかったが,右眼底の下方約1/3に網膜分離症がみられた(図1)。網膜分離症は鋸状縁まで連続し,中心窩から約1/2乳頭径の位置まで達していた。内層は薄く,平坦に隆起し,3乳頭得以下の円孔が散在していたが,外層には円孔はみられなかった。網膜血管は内層に存在し,その陰影が外層に認められ,また,周辺部の綱膜には類嚢胞変性がみられた。螢光眼底撮影では,分離症の境界部が過螢光を呈し,分離部には毛細血管瘤および顆粒状の色素の漏出が多発していた(図2)。
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