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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

臨床報告

ハイリスク角膜移植に対するシクロスポリン内服の効果

著者: 前田直之1 細谷比左志2 池田恒彦2 渡辺潔2 大橋裕一2 木下茂2 眞鍋禮三2

所属機関: 1国立大阪病院眼科 2大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1071 - P.1076

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 ハイリスク症例の角膜移植17例17眼(全層角膜移植11眼,keratoepithelioplasty 8眼,2眼重複)に対し拒絶反応予防の目的で,術後に副腎皮質ステロイドホルモンに加えシクロスポリンを内服させ手術成績の検討を行った。シクロスポリン内服中には,内皮型拒絶反応は認められず,上皮型拒絶反応が1例にのみ認められた。シクロスポリン中止後に4眼に内皮型拒絶反応が出現したが,3眼はステロイド単独,ないしシクロスポリン併用の治療に反応した。今回の症例における全層角膜移植の透明治癒率は術後平均経過観察期間14.8か月で73%であり,keratoepithe—lioplastyの透明治癒率は術後平均経過観察期間10.8か月で100%であった。ハイリスク角膜移植に対するシクロスポリンの内服は,移植片に対する拒絶反応の予防に有効であり,ハイリスク症例の角膜移植成績を向上させるための1手段であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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