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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

臨床報告

白内障術後乱視に対する乱視矯正角膜切開術の術後長期経過の検討

著者: 天野史郎1 三澤暁子1 清水公也1 宮田和典2

所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科 2東京大学分院眼科

ページ範囲:P.1087 - P.1090

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 白内障手術後に3ジオプター(D)以上の倒乱視を有する13例14眼に対して,transver—se relaxing incision (T切開)による乱視矯正角膜切開術(AK)を施行し,術後2年間の経過を検討した。術後,全眼で角膜乱視の減少を認めた。平均乱視量は,術前5.02 D,術後2年目2.16 Dと,2.86 Dの減少を示した。角膜厚は術後3か月で術前値に復し,角膜中央部内皮細胞密度は術前後で変化を認めなかった。T切開によるAKは術後2年目において有効かつ安全であることが確認された。また,術前乱視量と乱視矯正重との間に正の相関があることがわかった。しかし乱視矯正量の予測が正確にはできない点、術後1年目以降も角膜乱視の変動を示す例がある点などの問題点もあった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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