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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

臨床報告

傾斜乳頭症候群に伴う黄斑部障害

著者: 宇田千晶1 高橋寛二1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1109 - P.1113

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 最近5年間に筆者らが経験した傾斜乳頭症候群26例44眼のうち,30眼(68%)に下方強膜ぶどう腫がみられた。この外上縁が黄斑部を横走すると,強膜ぶどう腫の辺縁に沿って網膜色素上皮の変性萎縮を生じる。このような黄斑部障害を21眼(48%)にみた。さらに,2例2眼には黄斑の変性部に,脈絡膜から網膜下に螢光漏出のある網膜浮腫と,1眼の漿液性網膜剥離の合併をみた。傾斜乳頭症候群による黄斑部の色素上皮の変性萎縮は,黄斑部疾患の1つとして取り扱う必要があり,それには眼底の双眼倒像鏡による立体的観察と螢光眼底造影が役立つ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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