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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻7号

1992年07月発行

文献概要

臨床報告

未熟児網膜症に対する光凝固治療後の視機能

著者: 竹内篤1 山岸直矢2 永田誠2

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2天理よろづ相談所病院眼科

ページ範囲:P.1115 - P.1119

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 光凝固治療後の瘢痕期未熟児網膜症の視力,眼位,両眼視機能について長期経過を観察した。矯正視力は光凝固により瘢痕期1度で治癒した症例(瘢痕期1度PHC,以下同)では97.4%,2度弱度PHCでは100%が0.6以上であった。また,両眼ともが瘢痕期1度PHCないし2度弱度PHCであれば,眼位,両眼視は良好であった。一方,瘢痕期2度中等度PHC,強度PHCの症例では視力は一般的に不良であり,また1眼でも瘢痕期2度中等度PHCないし強度PHCであれば,眼位,両眼視機能は不良であった。全周光凝固例の視機能は,原則的には,瘢痕期の程度に左右された。
 視機能予後から判断すれば,未熟児網膜症重症活動期病変に対しては,治療のtimingを逸することなく,両眼ともが瘢痕期1度PHCないし悪くても2度弱度PHCでおさまるように治療すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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