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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻8号

1992年08月発行

文献概要

特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(6)1991年10月 広島 学術展示

外傷性眼球脱臼の1例

著者: 外江理1 上野山さち1 雑賀司珠也1 福田史子1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室 2京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1172 - P.1174

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 要約 鉄製の棒にて顔面を打撲し,眼球および眼球周囲組織に重篤な合併症をきたさずに眼球脱臼をきたした10歳男子症例を経験した。眼球は瞼裂外に露出し,上下眼瞼は眼球後方に位置していた。局所麻酔下にて眼球を復位させると,眼球は円滑に眼窩内に復位し,現在重篤な後遺症は出現していない。眼球脱臼の機序としては,棒による眼窩内でのてこ作用によるものと考えられた。
 緒言 鈍的外傷によって引き起こされる眼所見には結膜下出血,角膜びらん,虹彩炎,前房出血,水晶体脱臼,網膜出血や視神経損傷などのさまざまな所見があるが,まれな所見に眼球脱臼がある。眼球脱臼の定義としては,Berlin1)によると眼球が眼窩内より眼窩中隔の外に出て視神経,眼筋,球結膜などの眼球付着物がある程度保存されているものを眼球脱臼とし,これら付着物が離断しているものは眼球離脱と定義している。筆者らは鉄製の捧で顔面を打撲した際,眼球脱臼をきたした症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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