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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻8号

1992年08月発行

臨床報告

MRI検査で再発性眼窩内出血が確認された眼窩内腫瘍の1例

著者: 二宮修也1 飯塚和彦1 氏家彰子1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1190 - P.1194

文献概要

 生下時より眼窩内腫瘍をもつ2歳女児の長期経過観察中に,突然の眼球突出の増悪とその再発を繰り返した症例を経験した。顎下・頸部にも存在した腫瘍の病理学的診断がリンパ管腫であり,また,平時の眼部CTおよびMRI検査で,視神経周囲をとりまく多数の小腔を有する腫瘍像を呈したことから,眼窩内リンパ管腫が考えられた。増悪時のCTでは球後部は均一な腫瘤で充満され腫瘍の増大が考えられたが,MRIのT2強調像で,全体が数個の嚢胞で分節され,それぞれの内部が2層に分離している所見が得られ,症状の増悪は腫瘍からの出血によるものと判断された。MRIは眼窩内の組織の性状を判断するうえでの有用な情報を得ることができることを確認した1症例であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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