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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻8号

1992年08月発行

臨床報告

前房水に単純ヘルペスウイルスDNAが証明された特発性角膜内皮炎患者の1症例

著者: 西田幸二1 木下茂1 大橋裕一2 山本修士3 岡本茂樹3 眞鍋禮三3

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2愛媛大学医学部眼科学教室 3大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1195 - P.1199

文献概要

 前房水に単純ヘルペスウイルスのDNAが検出された特発性角膜内皮炎の1症例を報告した。患者は56歳の男性で,左眼角膜の下半分に高度の角膜実質浮腫がみられ,浮腫の前進部には拒絶反応線に酷似した角膜後面沈着物を認めた。特発性角膜内皮炎と診断し,局所的・全身的にアシクロビルを投与したところ,角膜浮腫は軽減したが,アシクロビル投与中止後に再発した。Polyme-rase chain reactionを用いたウイルス学的検索によって,初診時と再発時に採取した前房水中に,単純ヘルペスウイルスのDNAが存在していることが証明された。この事実は,特発性角膜内皮炎の原因が内皮細胞に対する単純ヘルペスウイルス感染である可能性を示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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